サーバー構築に没頭してまたもや夜中です。

さて、なんとなく浮かんだ考えを・・・

というより僕の中ではFIXされている発想を一つ・・・
先日、とある企業様の業績発表会に出席してまいりました。

社員の皆さんはほんと今時には珍しく、ひたむきに客商売に取り組まれている
方々ばかりの、これから先が有望な企業様です。

さて、この席でのことです。

社長氏がスピーチの中で、社員全員に問われたことがあります。

「目標は笑顔の接客、して、ゴールは?、どうなったらいいのか」

20分ほど時間を設けるので、これを営業している各店舗ごとに考えてまとめて
くださいというものでした。

この設問、究極の設定だと思います。いや、これが究極の設定だと気づけない
人には、そしてこの答えが導き出せない人には客商売は厳しいんじゃないのか・・・

そういう設問だなと思い、「さすが社長、よくわかっていらっしゃる・・・」

と私ごとき矮小な人間が言うのは恐縮なのですが、感心をいたしました。

各店の話し合いの声に聞き耳をたてながら、私は私で自分の考えをまとめて
いたのですが、どうもその話し合いの行き先が私が願っていたものには
足りていない領域で止まってしまっている感じがしました。

みな

「まずは従業員全員が笑顔でいるべき、そうするためには何が必要か?」

という感じで”従業員の笑顔”というところに固執しているんですね。

そう、ここがポイントなんですよね。

最近の客商売系の書籍を読んでみると、”従業員満足こそが顧客満足の絶対条件”
みたいに書かれているものが多くなってきている、そんな感じがしています。

でも、果たしてそうなのでしょうか?

結論から申し上げれば

「従業員満足を向上させたところで、顧客満足は向上しない。」

です。

私自身、ずっと長い間この「従業員満足神話」を信じてやってきたわけですが、
冷静に考え直してみて、「こりゃ違うだろう。」と結論しています。

逆はあります。

「顧客満足が高い企業は、従業員満足も高い」

これは結構高い確率でそうです。顧客満足、いわゆるCS向上に邁進している
企業はえてして従業員満足、いわゆるESも高い。

なぜこんなことが起こるかというと、CS向上を目指した行動を続け、結果として
お客様に喜んでいただけデータとしても上昇しているという結果が出ると、
「よし、もっとやってみよう!」とやる気が出て、その仕事にヤリガイって
生まれませんか?

そのヤリガイってやつが取り組む人たちの満足になっているわけですよ。

つまり「ESというのはCSの結果」なんです。

CSを高める経営というものは「働き甲斐」「生き甲斐」を高める経営でも
あるんですね。

「顧客満足が高い企業は、従業員満足も高い」

論理的に説明すれば、

「AだからBである。しかしBだからといってAであるとは限らない。」

という論理破綻の典型的な例なんですよね。

こういう論理って世の中に結構ありますよね。流行の単語に多く見られます。

CSとかESってのも一時は結構はやって、だれでもかれでもやれ満足満足って
言ってませんでした?ま、今でも言ってますね。それは良いことなんです。
でもですよ、今も説明した通り、BだからAとは限らないところを、
Bを徹底的にやれば必然的にAも高まるって類の代物ではないんです。

ES向上を追及し過ぎることによって起こり得る弊害については、次回以降に
譲るとして、ゴールが「従業員の笑顔」ってのは客商売としていかがなものか
と思うのですが・・・

ゴールはあくまで

「お客様の笑顔」

じゃないんですか?

そのために、お待たせしない接客や、暖かいものは暖かく冷たいものは冷たい商品
だったり、そして接客時の笑顔だったりするんじゃないのかな・・・

と思うんですよ。

なんか話の内容や言い回し、口振りの端々に

自分たちがやっていることは間違いない、だからいいんだ。

一生懸命やっているんだからお客さんだって満足しているに違いない

みたいなニュアンスが見えるのですが気のせいでしょうか・・・

そう思いたいみたいな、思い込みって感じ?・・・

ES向上もやりようによっては外向きに持っていけるんですが、アクション偏重で
「こうやればESは上がる」みたいに言われることを考えもなくやっていると
うまくいかないことが多いです。

それはなんでかといえば、人は一人ひとり全く違った価値観を持った生き物だから

です。

ある人にとっては稼ぎかもしれない、またある人にとっては自己実現かもしれない

そんな人それぞれ違うはずのものを「こうやれば満足するはずだ」って思って
やるわけですから、そりゃ難しいに決まっているんですね。

で、結局ESでじたばたしている間にCSに取り組む間もなくなるってわけです。

いいんですよ。CS向上に向かってひた走れば。

その結果が業績向上であり、その結果として高い売上げと利益、そして高い給与

こうなるわけです。

だから「これをやってくれなきゃいい仕事なんて出来ない」なんてことを言う
スタッフがいたら、その方は向いてないので早いところ公務員かなんかになって
人生をやり直したほうがいいですよね。

順序が逆なんですよね。

十数年も店長職をやってきたから、だから言えることです。

内部指向じゃないですよ、外部指向こそ客商売の本質なんです。

言ってることのすぐ向こう側にお客様の姿が見えるかどうか?

じゃね?