4 ガラス張の店舗運営(限りなく透明な組織)
日々流れる膨大な情報を、一部の人間がプールしてしまうと、それだけ店舗のフットワークが重たくなってしまう。そう、プールしてしまう人は重たい荷物です。速、やめましょう。
又、不透明な情報は様々な憶測、偏見、誤解を生みやすく、我々にとってなんら利益をもたらさない、ばかりか損害すら与えかねない。
オープンできない情報なんて皆無に等しい。オープンできない情報はオープンできない何か後ろめたさがあるからできないのであって不純な情報なんです。
店舗全体に対して何か、変化を働きかけるような行動、情報は全員がわかるようにしていく。それが仮に<スプレーガンにグリル(鉄板)清掃用>とテプラー(ネームシール)を貼る、そんな些細な事でも、自分意外にそのスプレーガンにたずさわる人が存在するなら、統一情報としてオープンする事。
これは千葉中央店という組織のルールであり、これを守れないのはルール違反です。
できないのなら、全日全時間ずっと店にいてぜーんぶ自分一人でおやんなさい。
wrote:工藤信一 1997.11.27
いきなり村上龍の小説みたいなタイトルで書かれています。なんかカッコつけてんなぁ。
ですがこれはそのような文学的なお話ではなく、組織運営のルールの話ですね。
情報を秘匿する必要などない
国家存亡に関わるような情報ならさておき、店で扱う情報で秘密にするべきものはほとんどないですよね。
よくあるのは、立場上マネージメント職の人が「この情報はこいつらには必要ないよな。」とか勝手に決めて、情報をプールしちゃっているケース。
僕から言わせると、そんなのは大きなお世話ですよ。
必要か必要でないかは、情報を見る当人が判断するものです。見た人が「これは自分には関係ない情報だな。」って判断してその情報は捨てる。「これはうちらには大事なことじゃん」って判断すれば、さらに理解するとか、もっと細かく質問したりとか、具体的な行動に移すとかするんです。
それが情報ってものの扱い方ですよ。
もうプールじゃないね、ダムですよダム。
起きている事実や変化、変更は全員に等しくあてがう。その上で見ていない知らないというなら「なんで見ていないの?」って問いただせば良いのではないかな?
オープンにすることによって、そこから先はスタッフ1人ひとりの責任になる。
これ、大事ですからね。
組織のフットワークが重たくなってしまう
フットワークが重くなるというのは、どういうことか?
ほら、知らされていないと確認しなければならないじゃない?
それですぐに確認できれば良いのですが、ダメな組織って変更を加えた当人にしかわからないっていう、バカ丸出しの状況になりがちなんですね。
さらに追い討ちをかけるように、当人が休みだったりしたらもう始末に終えない。
そういう時に限って携帯鳴らしても出ない。
これが組織全体に関係する情報だったら困りますよね。例えばクレーム系の情報とか、全社統一の変更事項だったりとか。
一刻を争うことだったりする場合、たいていはその時の責任者が判断して組織を動かすことになります。
確認できるまで待つことなんて稀にもありません。
なんたって時間のムダです。
情報ダムしてしまった当人も浮かばれません。信頼を失いますから損でしかありません。
リーダーシップはどっか飛んでいっちゃいますね。
多くの人たちの時間を奪う行為の代償は大きいのですよ。
何をしたいのか、わかるようにしよう
情報の透明性から派生することなのですが、
マネージメントが何をしたいのかが見えるようになります。
これもね、バカな組織だと見えないように見えないようにやるんですよ。
で、突然に出してくる。
急に言われたり出されたほうはたまったもんじゃないです。
そんなだから巻き込みもできないし、結果として達成度も上がらず、目標未達、プロジェクト失敗となるんだよね。
なんでしょう、ドッキリでも仕掛けているつもりなんですかね?
そこは仕事なんでね、情報をオープンにしましょう。
まとめ
組織ってのは、組織っていうだけあって一人で動いてるものではないですよね。
あたかも1つの人格のごとく動ければ最高の組織でしょう。けど組織を形成しているのは人です。1人ひとりが違う人格をもっています。
だから難しい。
難しいから放っておく。
そして組織は組織として機能しなくなっていくんです。
壊れた組織を元通りにするのは容易ではないです。
ぶっ壊れていくのはあっという間、建て直しは数倍数十倍の時間と労力が必要となります。
1人なら何も問題ないのですよ。
それが2人になり、5人になり、10人になり、50人になり、100人になるとしたら?
そこを脳みそに汗をかきながら考えて考えて考えるから、組織運営は面白いんですよね。
僕もそうでした。
情報をフルオープンにして、スタッフ1人ひとりに取捨選択の判断とともに責任感を持ってもらう。
それによって100人以上の組織もまとめることが可能になったと思っています。
次回は『タスクブレイクダウン』をお送りします。
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