今回は店長ワールドの番外編です。
当初の企画では、数年ぶりに発見した工藤作の文書「店長ワールド」を10回程度に分けてお伝えしようというものでした。
現在第7回まできましたが、10回まで書き終えた後どうしようかなあなんて思っていたところ、案外このシリーズ読んで頂いていることがわかりました。ありがたいことにアクセス多いんですよ。
というわけで折角ですので、店長職というものに対して私の思うところをこのまま記していくことに致します。
あ、本編はおいおい書き終えますので、期待せずお待ち下さい。
マクドナルドの店長職を退いてから今年で早12年が経過しています。この歳になったからこそ見えてくる大事なことも絡めてお伝えすることで、多くの現職店長さんや、これから店長になる方の参考になるコンテンツを積み上げてシリーズとしていきたいと考えています。
と言ってもね、「緩〜く」やっていきます。
さて、店長ワールドの続編といきたいところですが、今回は番外編としてちょっと思うところを軽く書いてみます。
焦って結果を出そうとしないこと
工藤には、長くお世話になっている都心の飲食グループ様があるのですが、先週末にそちらの西新宿にあるお店から
「アウトルックメールの動作がおかしい」
という連絡を受け現調と問題解消にお伺いした際のお話です。
金曜と日曜と2日に渡っての作業となったのですが、問題は解決しました。まあパソコンですからね。相手は機械ですから、直ります。
その最後の確認をしている時です。店長から聞かれました。
「お店ってすぐに変わってくるもんでしょうか?」
僕はこちらの会社で店舗運営のコンサルティングをしていたこともあり、店長さんの多くは僕がマックで店長をしていたことも、コンサルタントを生業としていることも知っています。
なので、多くの店舗にパソコンやネット環境の整備などでお邪魔しつつも「店長のお悩み相談室」みたいな形になることが多々あるんです。
上司とか先輩に聞きづらいことも聞きやすいのかなぁなんて思っています。
ありがたいことです。
今回その質問に対する答えは
「焦って結果を出そうとしないことだよ。」
です。
こちらの店長さんは、まだ新任で着任したばかりのフレッシュ店長。柔和な印象ですが、内に秘める熱さを感じさせる方です。
そう、店長って常にお店を良くすることで頭いっぱいなんですよね。良くするといってもその内容は様々で、売上を伸ばしたい、利益が出るようにしたい、スタッフが楽しく働く店にしたい、固定のお客様が月に何度も来店してくれる店にしたいなどなど・・・・
特に着任早々って、前任のやり残しとか粗が見え過ぎてしまってどうにも力が入ってしまうものです。
と言っても、お店ってのはそんな簡単に変わっていったりはしないものです。
なんでか?
店ってのが人でできているからです。
店はスタッフとお客さんという人間でできています。
人って変えようと思ったって変えられるものではないです。それを若い頃って「育成だ!」「指導だ!」って変えようとしちゃうんですよ。
もちろん変える必要はあるんですよ。じゃないと会社がつぶれますからね。
じゃあ何だ?
変えるのではなく変わるように導いてあげる
変えると変わるは全く違います。
ご存知でしょうが、人の行動を変えられるのは自分だけです。外側から何とかしようとしてもムリ、人という生き物はそういう風にはできていません。ましてや人の本質などは自分自身でも変えることはできません。(自分でも自分を変えられないんですよという話はまた別の機会にします)
なので時間をかけて対話し、店長の想いを伝え「こうしたい」という意図を重ね合わせることで初めてスタッフも自らの意志で行動するようになります。
それが変わるってことです。
勘違いしている人ってのは、正論を振りかざし、自分が正しい、だから君も僕の言うようにしなければならない、アイアム店長!アイアムNo1!とパワープレイをしがちです。
それで見掛け上は変わったように見える時があります。良くなったかのように見えることもあります。
けど本質は何も変わっていないんです。
スタッフ的には
「面倒臭いな、まあだからって辞めるのも何だし言うこと聞いといてやるか。」
「この店長、なんもわかってねえな。うるさいわ。」
あたりが本音じゃないでしょうか?
そんなところに「なんで言った通りにしない!」とかやれば、当たり前のように反発をくらいますし、最悪のケースでは貴重な人財を失うことにもなります。
店を良くするどころか、今週、明日、今日のスタッフを確保することにも支障をきたすことにもなりかねません。
変えようとせず、変わるように導くのは時間がかかるんです。少しずつ自分の影響力の及ぶ範囲を広げていくことが大事なんです。
短期的思考は一番のNGです
手段が目的化するって聞いたことありますか?
Aという目標を達成するためにBという手段があるとします。その時にA側からBを捉えていれば良いのですが、逆のB側から捉えちゃうと実はBはいつまでたっても達成しないのです。
そして次第にBを達成することが目標になってしまいAはどこかへいってしまいます。
これは仕事に限ったことではなくて、何にでも共通のことです。
恐らくは宇宙のルールの1つ、
その問題、課題と同じ高さとか位置ではその問題は解決しない
問題や課題というものは、もう1つ上位、先から考えることでのみ解決します。
しかも驚くほどあっさりです。
こうした経験された方、多いのではないでしょうか。
焦って結果を求めると、どうしても近視眼的になってしまい、今やっていることが所詮は手段の一つに過ぎないってことを忘れちゃうんですよ。
そして手段と目的反転の下降ループに陥る。そうならないためにも、
焦って結果を求めず、やるべきことを淡々とやる
短期的思考に囚われず、長期的なゴールから今を考える
とても大切なことなので、できたら若いうちにマスターしておきたいことです。
店長は笑顔でエネルギッシュにしていればOK
第一歩はこれだけでいいんです。
深刻ぶって眉間にシワを寄せているとね、ろくでもないことを引き寄せます。
そういう店長の店って、これでもかってほど事故やトラブルばっかり起きます。
これなんかも良い例です。
工藤さん、人が集まらないんですよ。(泣)
って言われることがあります。
都心は飲食業も過当競争に陥っていますから人的資源も取り合いなのだと言います。
まあ、確かにそうでしょう。
けどね、だとしたらどの会社も店も条件同じくないですか?
お宅の会社だけじゃないんですけどね。
結論から言うと、人が集まらない店や会社や現場は、そこの店長なり社長なりが「人、集まらないんじゃないかなぁ」って思っています。マジで。
だから集まらない、それだけです。
トップが集まらないって思っているのですから、何をやろうが、何百万円かけようがムダです。
そういうものなのです。
ですから店長にまず必要なのは
大丈夫!だってオレが店長なんだから。大爆笑!
ってスタンスですね。
店長が揺るぎなくそう思って行動していれば、出来ないことなんてないし、スタッフィングで苦しむなんてことも起きません。(断言)
だから目先のことに悩まず、今この瞬間を店長として最大限に楽しむこと!
上司とかコンサルタントが細かくうるさいこと言ってくるけど、そんなすぐに結果なんて出ないんだからいいんだって。
あ、オレもコンサルだったわ!ゴメン!大爆笑!
今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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