こんにちは!
工藤です。
溶けて焼き付いたエンジンカバーの惨状を発見し、エンジンのオーバーヒート、焼付きを確信。
今回はエンジンの離脱と開けるまでをお送りいたします。
前回:【原付バイク】涌谷生活の命綱ジョグのブローそして復活まで:その2
この原付はフレームとエンジンユニットが分離する形状となっています。
スクーターってのはそうなのかな?違うのもあるか。
くっつけたままでもやれるのでしょうが、うちのガレージにはリフトがないので(普通はない)仕方なく分離することにします。
下準備として
・リアブレーキワイヤー
・リアショック
・スロットルワイヤー
・電装のカプラー
・オイルチューブ
をはずします。
念のため
・ガソリンを全抜き
・オイルも全抜き
その上で写真矢印部分の太いボルトをはずすと
あら不思議!
フレームとエンジンが分離しました。
エアシュラウドは溶けて無残な姿に・・・
シリンダーヘッドもこの有様。
クランクを動かしてみるも途中で動かなくなる。
ナットをはずしシリンダーヘッド、シリンダーを引き抜きます。
シリンダーは固着しているので、ゴムハンマーや木槌でコンコン叩くと簡単に離脱します。
あ〜あ・・・
ピストンも離脱。
どこも傷んでいないね。
シリンダーには悪魔の爪痕が・・・
でも大したことないので、いずれ磨いてポートチューニング用に使うことにしよう。
今回は急ぎなのでパスということで。
ピストンはご臨終です。
リングも削れて埋まってしまっています。
シリンダーヘッドもこの通り。
溶けたエアーシュラウドが冷却フィンを埋めてしまっています。
燃焼室はダメージ無いので、きれいに磨いて再使用することにします。
速攻で以下のパーツを発注
・ピストン
・ピストンリング
・シリンダー
・シリンダーピン
・サークリップ
・ベアリング
・ガスケット類
・エアーシュラウド
ピストンとシリンダーは純正パーツが国内にはほとんどないです。夏に壊した時もYAMAHAでも待ちになってしまい入荷するかもわからない状態でした。
ですのでヤフオクで台湾製のセットを購入。
動かすの優先だし背に腹は変えられない。
他の周辺パーツはWebikeで調達です。
ご覧のように焼け付きを起こしていることから
燃調が薄かったためにエンジン温度が上がり過ぎた
なんてこった・・・
燃調が薄くなる原因は複数ありました。
1,ジェットが夏用
最大の原因でしょうね。
SA16J、5SU、CV50A、リモコンジョグなど様々な呼称で呼ばれている僕のジョグは、ジェットの純正番手が
・メインジェット #70
・スロージェット #43
です。
ガソリンは揮発性が高い液体のため、空気との混合気は気温によって濃さが変わってきます。
暑い時期は濃く
寒くなると薄く
なります。
それ意外にも気圧、湿度にも左右されますがその説明は割愛。
ですので氷点下10℃にもなる環境で使用するとしたら、
ジェットをそれ用に変更するのが本来であれば王道なわけです。
2,パイロットエアスクリューの未調製
ジェットを交換しないまでも、エアスクリュー調整でアイドルから低速時の燃調は濃く出来ます。空気を絞ることで混合気を濃くする。
12月まで快調な走りを見せていたジョグが大雪になって突然に壊れた理由。それは
スロットルを開けずに低速で長い距離長い時間を走り続けたこと
スロージェットも夏用、エアスクリューも夏仕様のままで氷点下10℃で運用すれば、燃調が薄くなり(リーン)、結果エンジンは熱暴走⇒焼付きとなるわけです。
大雪の中、三角乗りで低速走行中のキャブレター分担はエアスクリューとスロージェット。
普段は全開走行メインジェット常用の僕ですので、ジョグにとって厳しい環境になってしまったんですね。
そうです。
きちんとメンテせずに壊しただけ、それだけでございます。
ただねえ、東北地方で販売しているんだし、寒いくらいで壊れるセッティングとは考えないですよねえ(遠い目)
え?あんな大雪の中で原付で出かけない?
自殺行為?
おっしゃる通りで!!
けど仕方ないのですよ。
大雪だろうが仕事のオファーが来る以上、4輪がないなら2輪ででも行くしかないでしょう!
おっと、原因の続き。
3,チョークの故障
このジョグにはオートチョークが装備されています。
始動直後はガソリン多めになるように、温まってきたら自動で少なくなるっていうかキャブレターのセッティングでの運用に移行するように動作しています。
ただし!
どうもこれが壊れていることが多いらしい。
もし始動直後にも多くならない状態だったら?
エンジンパーツが届くまでの間、このチョークを確かめてみましょう。
4,ジェットニードル
ジェットニードルはスロットルと連動して出たり入ったりする”爪楊枝”サイズのピンです。
これです。
アクセルを閉じている時は深く刺さってメインジェット経路を塞ぎます。
アクセルを開けるに従い上に上がり、メインジェット経路を開いてきます。
アクセルを開いてもこのニードルが上がらなければ当然ですがメインジェットからの燃料供給は少ないままですので燃調は薄くなります。
そうそう触るパーツではないらしいですが、ジェットを交換しても状態が安定しない時にここを調整すると呆気なく良くなるらしいです。
超大寒波という環境下において純正パーツによる燃調はリーンになる可能性が高いです。
これでは新たに組み上げてもまた壊してしまう危険性も高くなります。
それは避けたい!なので
燃調が濃く(リッチ)になるようにセッティングする
リッチは修正できるけれど、リーンは即ブロー
RX7で走っていた頃には当たり前に意識していたことです。
あの頃は暇さえあればプラグをはずして焼けを確認していたものです。
なのに・・・
ジョグごめん!
しっかり直すからまた乗せて走ってくれよ・・・
今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。
【原付バイク】涌谷生活の命綱ジョグのブローそして復活まで:その1
【原付バイク】涌谷生活の命綱ジョグのブローそして復活まで:その2
工藤です。
溶けて焼き付いたエンジンカバーの惨状を発見し、エンジンのオーバーヒート、焼付きを確信。
今回はエンジンの離脱と開けるまでをお送りいたします。
前回:【原付バイク】涌谷生活の命綱ジョグのブローそして復活まで:その2
まず離脱
この原付はフレームとエンジンユニットが分離する形状となっています。
スクーターってのはそうなのかな?違うのもあるか。
くっつけたままでもやれるのでしょうが、うちのガレージにはリフトがないので(普通はない)仕方なく分離することにします。
下準備として
・リアブレーキワイヤー
・リアショック
・スロットルワイヤー
・電装のカプラー
・オイルチューブ
をはずします。
念のため
・ガソリンを全抜き
・オイルも全抜き
その上で写真矢印部分の太いボルトをはずすと
あら不思議!
フレームとエンジンが分離しました。
エアシュラウドは溶けて無残な姿に・・・
シリンダーヘッドもこの有様。
クランクを動かしてみるも途中で動かなくなる。
エンジン分解
ナットをはずしシリンダーヘッド、シリンダーを引き抜きます。
シリンダーは固着しているので、ゴムハンマーや木槌でコンコン叩くと簡単に離脱します。
あ〜あ・・・
ピストンも離脱。
どこも傷んでいないね。
シリンダーには悪魔の爪痕が・・・
でも大したことないので、いずれ磨いてポートチューニング用に使うことにしよう。
今回は急ぎなのでパスということで。
ピストンはご臨終です。
リングも削れて埋まってしまっています。
シリンダーヘッドもこの通り。
溶けたエアーシュラウドが冷却フィンを埋めてしまっています。
燃焼室はダメージ無いので、きれいに磨いて再使用することにします。
速攻で以下のパーツを発注
・ピストン
・ピストンリング
・シリンダー
・シリンダーピン
・サークリップ
・ベアリング
・ガスケット類
・エアーシュラウド
ピストンとシリンダーは純正パーツが国内にはほとんどないです。夏に壊した時もYAMAHAでも待ちになってしまい入荷するかもわからない状態でした。
ですのでヤフオクで台湾製のセットを購入。
動かすの優先だし背に腹は変えられない。
他の周辺パーツはWebikeで調達です。
真のブロー原因
ご覧のように焼け付きを起こしていることから
燃調が薄かったためにエンジン温度が上がり過ぎた
なんてこった・・・
燃調が薄くなる原因は複数ありました。
1,ジェットが夏用
最大の原因でしょうね。
SA16J、5SU、CV50A、リモコンジョグなど様々な呼称で呼ばれている僕のジョグは、ジェットの純正番手が
・メインジェット #70
・スロージェット #43
です。
ガソリンは揮発性が高い液体のため、空気との混合気は気温によって濃さが変わってきます。
暑い時期は濃く
寒くなると薄く
なります。
それ意外にも気圧、湿度にも左右されますがその説明は割愛。
ですので氷点下10℃にもなる環境で使用するとしたら、
ジェットをそれ用に変更するのが本来であれば王道なわけです。
2,パイロットエアスクリューの未調製
ジェットを交換しないまでも、エアスクリュー調整でアイドルから低速時の燃調は濃く出来ます。空気を絞ることで混合気を濃くする。
12月まで快調な走りを見せていたジョグが大雪になって突然に壊れた理由。それは
スロットルを開けずに低速で長い距離長い時間を走り続けたこと
スロージェットも夏用、エアスクリューも夏仕様のままで氷点下10℃で運用すれば、燃調が薄くなり(リーン)、結果エンジンは熱暴走⇒焼付きとなるわけです。
大雪の中、三角乗りで低速走行中のキャブレター分担はエアスクリューとスロージェット。
普段は全開走行メインジェット常用の僕ですので、ジョグにとって厳しい環境になってしまったんですね。
そうです。
きちんとメンテせずに壊しただけ、それだけでございます。
ただねえ、東北地方で販売しているんだし、寒いくらいで壊れるセッティングとは考えないですよねえ(遠い目)
え?あんな大雪の中で原付で出かけない?
自殺行為?
おっしゃる通りで!!
けど仕方ないのですよ。
大雪だろうが仕事のオファーが来る以上、4輪がないなら2輪ででも行くしかないでしょう!
おっと、原因の続き。
3,チョークの故障
このジョグにはオートチョークが装備されています。
始動直後はガソリン多めになるように、温まってきたら自動で少なくなるっていうかキャブレターのセッティングでの運用に移行するように動作しています。
ただし!
どうもこれが壊れていることが多いらしい。
もし始動直後にも多くならない状態だったら?
エンジンパーツが届くまでの間、このチョークを確かめてみましょう。
4,ジェットニードル
ジェットニードルはスロットルと連動して出たり入ったりする”爪楊枝”サイズのピンです。
これです。
アクセルを閉じている時は深く刺さってメインジェット経路を塞ぎます。
アクセルを開けるに従い上に上がり、メインジェット経路を開いてきます。
アクセルを開いてもこのニードルが上がらなければ当然ですがメインジェットからの燃料供給は少ないままですので燃調は薄くなります。
そうそう触るパーツではないらしいですが、ジェットを交換しても状態が安定しない時にここを調整すると呆気なく良くなるらしいです。
セッティングの方向性
超大寒波という環境下において純正パーツによる燃調はリーンになる可能性が高いです。
これでは新たに組み上げてもまた壊してしまう危険性も高くなります。
それは避けたい!なので
燃調が濃く(リッチ)になるようにセッティングする
リッチは修正できるけれど、リーンは即ブロー
RX7で走っていた頃には当たり前に意識していたことです。
あの頃は暇さえあればプラグをはずして焼けを確認していたものです。
なのに・・・
ジョグごめん!
しっかり直すからまた乗せて走ってくれよ・・・
今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。
こちらの記事もどうぞ
【原付バイク】涌谷生活の命綱ジョグのブローそして復活まで:その1
【原付バイク】涌谷生活の命綱ジョグのブローそして復活まで:その2
コメント